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展心カタカムナ

 

そもそも私は非常に疑り深いたちで、人の言うことをそのまま聞くようなことはほとんどしない。とりわけカタカムナに関しては相似象会誌以外に参考資料は皆無なわけで、甚だ客観性を欠く状態でもあったわけだから、なおさらである。

楢崎皐月によって提示されたカタカムナの物理的解釈に関する検証作業を進める上で最大の障害となることは、宇野会長が再三再四にわたって警告し続けた現代人の感受性鈍化であることは疑う余地がなかった。そのために最初にしなければならなかったことは、とりもなおさず、自らの姿勢を正すことだった。

クヒノサトリの条件となる脳髄の垂直安定を鎖骨の水平度にて判別するという卓見は、宇野会長より直々に教えてもらった。その折実物のシャレコウベを手に二人で脳談義に花を咲かせた思い出は、今でも鮮明に残っている。それ以来自らの感受姿勢の矯正に、ほぼ五年を要した。

読みに関しては、楢崎の検証過程が不明瞭ではあったとはいえ、イロハの四十八音に対応していることは確実と思われた。

比較言語学的対比によって検証するとすれば、古代日本語との音韻対比はわずか八十首のウタヒのほぼすべてが当てはまるわけで、日本語の源流と考えるのが妥当とも思えたが、原典の信憑性に関する疑問はぬぐいきれるものではない。その上楢崎の物理的解釈を無条件で受け入れることは困難とも思われた。

しかしながらカタカムナがもし楢崎や宇野の言うように森羅万象を網羅した究極の抽象であるのだとすれば、天然自然の諸事象の発生形態とも相似相であると考えることが出来る。カタカムナ原典に見る表記は上古代人による究極の抽象である。それは感受性の鈍化した現代人にはあまりにも単純すぎるがゆえに難解であった。オツムテンテンの現代人にこれを理解させるには逆に具象化すればよい。

アマ・カムのフトマニとは、タカミ・カムミの現・潜超対象の重畳する偶構造であると楢崎は解読した。それは正反逆位相の相似象(アカアオムカヒ)として潜態粒子(クミヌマリ)を構成している。つまり具象化すれば二つずつのマリによって表現されるわけだ。さらにマワリテメクルの具体的旋転循環位相は原典図象の同心円にあらずとの直観により発明されたのが展心カタカムナである。

カミ000.jpg


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